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三、四人の女性が入ってきて――。
その後ろに、ひとつだけ男の人の頭があった。
見つけたとき。
トクンって心臓が跳ねる。
会いたいと思うから。
だから、見えちゃうんだ。
――だって、ここにいるわけないもん。
頭では思っていても、婦人たちの頭よりもひとつでているその髪が、後姿が。
まとってる雰囲気が……。
――オオカミさんにしか見えない……。
「貴和子さん、巽さんといらしたんですか?」
少し高めの女性の声に、耳の奥に響いた“巽”って名前。
巽――オオカミさん……。
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