背伸びして、君に触れる。

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「なんの話だよ」 「っ、なんで私のこと避けんの?! 私何かした?! 私はバカだから、言ってくんないと分かんないんだよっ」 「っ」 「友達でいてくれるって、歩言ってたじゃんっ」 なんでいなくなんの なんで なんで 「ーー・・・限界なんだよっ お前のその無神経さっ」 「無神経?」 「俺、もう限界 正直・・・もう愛と友達には戻れない」 なにそれ なにそれ、意味わかんない 「なんで」 「お前のそばにいることがーー・・・もう辛い。 もう、話しかけないで」 呆然と、固まった私を歩は自分の上から下ろす 立ち上がった歩を見上げれば、最後に泣きそうな笑みを見せて くしゃ 優しく頭を撫でてくれた 「ごめんな」 私たちは、まだまだ幼い 相手を思いやれるほど大人になんてなれない。 分かるのは、もう歩は私に笑ってくれないってこと。 流れる涙が、何を意味するのか まだ私は分かっていない。
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