背伸びして、君に触れる。

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ペチッ 「いたっ、デコピン反対」 「それが答えなんじゃない?」 「へ?」 「だから、歩に対する答え」 これが? これが答え? だからなに? これが何を意味するのか、分かんない 「カンちゃん...」 「だーめ。よく考えて」 「・・・うん」 ーーーーーーーー ーー・・・ 「牧野ー」 「はぁい」 「ちょっといいか?」 なんだろ。 珍しいなーわざわざ教室に来るなんて。 放課後だし、何も用ないしいいけど。 立ち上がって、扉の方へ向かおうとする。 けれど、それは暖かいものに阻まれる。 ーー・・・手を、包む温もり そんなに離れてたわけじゃないのに、スッゴく懐かしかった。 振り向けば、視線がぶつかって どくんと心臓が跳ねる。 ーー・・・なんで跳ねるんだろう 「あ、歩?」 「・・・わりぃ、なんでもねぇ」 視線が逸らされ、手が外れる 咄嗟にその温もりを追いかけようとする手 自分の体なのに、なんでそんな風になるのか分かんない 「牧野?」 「・・・あ、ごめん」
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