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高杉に背を向けて、資料室を飛び出す
向かうのは、教室
鞄もって、すぐ行こう
速く、伝えたい
ガラッ
教室の扉を開ける
「っ、歩」
皆帰ったのに、まだ、いた
「なに、してたの?」
走ったせいか息があがる
伝えたい
高杉みたいに、歩みたいに
勇気をもって
「・・・別に。今帰るし」
「待って!!」
鞄を持って、私の横を通りすぎる歩の腕を、両手で掴む
向けられるのは、醒めた視線
「なに?離してくんね?」
「っ」
歩の気持ちを否定したのは、疑ったのは私
傷つく権利はない
だから、今さらかもしんないけど、伝えなくちゃ
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