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「っ?!」
グイ
包まれていた手が引っ張られて
そのまま腕の中に閉じ込められる。
「な、ちょっと!?」
「いいから」
ぎゅっと歩の左胸に頭を押さえつけられる。
なに?
「嘘じゃねーから。
この音が証拠
今だってこっちは緊張してんだよバーカ」
え?
耳に聞こえてくる音はきっと
ううん、絶対歩の心臓の音。
トットットット
すごく速い
嘘じゃ、ない?
待って
嫌だ
ドンッ
強く、強く
歩を突き放す
「・・・」
「ごめん、あの、歩は友達だし
わ、たし、ほら、初恋もまだのガキんちょだし?」
あー、何言ってんだろ自分
わっかんない。
頭ん中ぐちゃぐちゃ。
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