背伸びして、君に触れる。

4/21
前へ
/33ページ
次へ
「っ?!」 グイ 包まれていた手が引っ張られて そのまま腕の中に閉じ込められる。 「な、ちょっと!?」 「いいから」 ぎゅっと歩の左胸に頭を押さえつけられる。 なに? 「嘘じゃねーから。 この音が証拠 今だってこっちは緊張してんだよバーカ」 え? 耳に聞こえてくる音はきっと ううん、絶対歩の心臓の音。 トットットット すごく速い 嘘じゃ、ない? 待って 嫌だ ドンッ 強く、強く 歩を突き放す 「・・・」 「ごめん、あの、歩は友達だし わ、たし、ほら、初恋もまだのガキんちょだし?」 あー、何言ってんだろ自分 わっかんない。 頭ん中ぐちゃぐちゃ。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加