束の間の……。蜜月①

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 ツーッ、と伝う舌が耳の裏を擽る。自分の意志とは反対に、中心部がゆっくり芯を持つ。硬くなったモノが後ろで当たっている。少しずらせば挿入()いりそうな距離だ。 「一回、()しとく?」 「……んっ………や」  嘘だろ、俺のを。逆なら分かる、お風呂の中での……は、いくらなんでも。 (……あっ)  はっ……挿人った……?  みっちり、根元まで深く脈を打っている。 「お、お湯が…っ汚れっ……んぅあっ」強く扱かれて、寸前のところまで熱いものが昇ってくる。達する前に手の動きが止まった。危なかった、もう少しでイクところだった。くたりと全体重を胸元に預けた。でも、お互い熱を保ったままの状態だ。 「このまま上がろう」 「俺がします」 「え…おい」    あまり経験がないが、ベンチシートに腰掛けた澁澤さんの昂ったモノを唇に含む。上下に動かし扱くと硬度が増した。歯を立てないよう、先走りの蜜を舌先で掬い取る。ニチュ……ニチュといやらしい音がした。これが、俺の中に挿人ってたんだ。おっき……い。澁澤さんのだったら……あ、また。硬い、熱い……。  早く挿入れて欲しくて堪らない。 「……もういい」  下手くそだった?唾液が糸を引く。見上げると眉間に皺を寄せていた。なにを考えているのだろう。        
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