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「おはようございます」
「おはよう?昼前だろ。体は痛くない?」
「はい、大丈夫です。あの……俺……その……まだ足りません」
失笑したのが分かる。お腹はぺこぺこの筈なのに、まだ足りない。
「喬木さんが動いてよ」
カーテンのすき間から明るい陽が射し込んでいる。眩しそうに細める瞳とぶつかった。ふらっと口づけをしそうになったが自分から避けた。交わしてはいけない、この一線だけは越えてはいけない。それをしてしまえば何かが崩れてしまう。壊れてゆく恐怖が襲った。
「キス、しようか」
「いいえ、それは……」
「いいよ」
上に跨がる俺の髪を掌で掻き上げる。どうして急に……。わざと答えず、再び熱を帯び始めた屹立を窄みに押し付けた。自分の感じる箇所に当たるよう、軽く擦り上げる。こんなに大胆に求めるなんて信じられない、ただ彼が欲しかった。
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