束の間の……。蜜月①

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「おはようございます」 「おはよう?昼前だろ。体は痛くない?」 「はい、大丈夫です。あの……俺……その……まだ足りません」  失笑したのが分かる。お腹はぺこぺこの筈なのに、まだ足りない。 「喬木さんが動いてよ」  カーテンのすき間から明るい陽が射し込んでいる。眩しそうに細める瞳とぶつかった。ふらっと口づけをしそうになったが自分から避けた。交わしてはいけない、この一線だけは越えてはいけない。それをしてしまえば何かが崩れてしまう。壊れてゆく恐怖が襲った。 「キス、しようか」 「いいえ、それは……」 「いいよ」  上に跨がる俺の髪を掌で掻き上げる。どうして急に……。わざと答えず、再び熱を帯び始めた屹立を窄みに押し付けた。自分の感じる箇所に当たるよう、軽く擦り上げる。こんなに大胆に求めるなんて信じられない、ただ彼が欲しかった。      
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