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振り返るとモコモコのウェアと毛糸の帽子を被る小さな男の子を抱っこする涼が近づいて来る。保育園のお迎えの帰りらしく、着替えとおむつが入った大きな布製の手提げ袋を持っていた。
「けーちゃっ」
「柊佑、すごいな。喋れるようになったんだ」
「最近ね。まだぱぁぱとけーちゃ、ばぁば、まんま、わんわんぐらいしか話せないよ」
「けーちゃ……。俺?」
「うん、圭吾は特別みたい。もし予定がないのなら、家に寄っててよ」
「いいのか?」
「この前の御礼にご馳走するよ。落ち込んでいたようだし、何かあったの?」
1歳になったばかりの柊佑が小さな手を伸ばす。触るとぷにぷにしている。
「何もないよ、心配かけて御免。荷物持とうか?それとも抱っこしようか?」
「柊佑はパパとけーちゃ、どっちがいい?」
「……けー…ちゃ…」
「ほら、おいで」
軽い。驚くほど軽くて小さい。モコモコのウェアと毛糸の帽子が可愛い。柊佑は寒さでほっぺたが赤くなっていた。
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