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「おもちゃとか絵本はないの?涎が……」
「そっちのケース入れの中だよ。圭吾、助かる、手提げ袋の中に新しいタオルと涎掛けが入ってる」
涼は狭いスペースをいかに効率よく使えるか考えて戸棚やベッド、洋服ダンス、本棚を設置している。玩具入れのケースもすぐに見つかった。
「可愛いけど大変だな」
「お袋の手助けがなければ育てられないよ、感謝してる。今はピアノ教室のバイトで気楽だけど、来年は19時まで延長保育を申し込んでいるんだ。あとはお袋に面倒をみてもらう話がついている」
「益々忙しくなるな」
柊佑は玩具と動物の絵本に興味を示したようで、やっと静かになった。五分もてばいいかな、柊佑のぷくぷくしたほっぺたをつついてみる。「けーちゃっ……わんわん」さっきからけーちゃか、わんわん、ぱぁぱしか言わない。猫やうさぎの絵をみてもどれも「わんわん」だと言っていた。柊佑をあやしていると自分の子もいいなぁ、叶わない夢だけど。
「出来たよ、圭吾。柊佑を見てくれてありがとう」
「もう?」
涼は休日には、ある程度、おかずの下ごしらえを準備し冷凍庫に保存をしているそうだ。冷凍庫からだした材料をレンジで温め、味付けをするだけで完成する。ご飯が炊き上がるまでに仕上げてしまう。
「お前、すごいな」
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