前兆。

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 そして到着をしたのは午後9時半過ぎ、新宿2丁目はもはや一つの街だ。週末のせいかいつもより人の数が多く、盛大な賑わいを見せていた。女性でも入店可能なミックスバーを(このお店なら安全だと判断をし)、スマホの検索機能を使い、それとなく誘導する。律ママのお店から遠い店舗をわざと選んだ。あと一、二時間の辛抱だ。この二次会が終われば澁澤さんと会える。一度、連絡を入れておこうかな。 「喬木は入んねぇの?」 「一服してからにするよ」 「そうだな、疲れたよな。俺ら三人で先に入っておくよ」  うん。と返事を。真冬の空の下、小橋たちを見送り、お店のドアが閉まるのを確認する。少し離れた場所でスマホを取り出した。  そもそも繋がるのだろうか。俺は忘年会、澁澤さんは?  そういえば聞いてない、また例のイベントの参加者と一緒だとか。  コールを5回鳴らしたけれど、出ないな。切ろう。
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