壊れた関係。

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 結局、電話に出てくれなかった。なにかの用事か、打ち合わせの最中なのか。小橋には一服すると告げたが、煙草を持ち合わせていなかった。澁澤さんと関係を持つ前は、極たまに煙草を吸うときがあったが、今は買うのさえ止めた。それは彼が吸ってないからだ。……変なのかな、お風呂上がりにホットミルクを飲んだり。  澁澤さん……。  諦めてバーの扉を開ける。落ち着いた律ママのお店と違い、騒がしく明るい店内は常連客や俺たちのような一見さんで盛り上がっていた。 「喬木、こっちだ!」    小橋が手を挙げる。ふらふら、引き寄せられるかのように、1つしかないボックス席へと落ち着いた。
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