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おなべの店子が運んできたマティーニを頂いている間、小橋との会話が弾む。挙式準備、新居、義理の父親となる蜷川さんの人柄が気難しく、今後の付き合いに不安があるなど。俺は、3つ上の兄に来年子供が産まれる話題を。井上さんと金田さんはボックス席へ戻ってくる気配がない。問題は、律ママが作るカクテルが美味しすぎて、お代わりをし過ぎた金田さんがふらふらの状態で此方へ歩いてきたことだ。
「……ごめっ。の、飲み過ぎた……」
「気分はどうですか？」
「……きぼぢわる……い……」
「トイレに行きましょう」
「……うん……」
金田さん1人では心配だ、付き添いをしよう。まだ鳴らないスマホをなんとなしに、ソファ席に置いて立ち上がったのが小さなミスだった。
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