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番外編。Happy birthday, Keigo♡
※※※※※
蒸し暑い日々が続く7月。梅雨はまだ明けない────。
……今日も雨だ。ICカードリーダーに社員証をかざしoutを打刻する。先月、新米パパになった同僚の小橋と同時に退社した。
「喬木、お迎えだ、愛しの旦那さん」
「え?」
愛しの……?まさか??紺色の傘を開くと……。
「お疲れ、圭吾さん。今日はこっち方面にクライアントとの打ち合わせがあってさ、帰り際、LINEを入れといたんだけど……」
「一颯さんこそお疲れさまです。全然気がつかなかったです、ごめんなさいっ」
小橋は傘をさす澁澤さんに挨拶と頭を下げ、さっさと駅へと向かう。小橋なりに気を遣ってくれたのだ、ありがとうとつぶやいた。俺は嬉しくて澁澤さんの傍へ。
「憂うつな雨の日が素敵に変わりました。今日はまっすぐ帰りますか?それとも、どこかでお茶でも?」
「まっすぐ帰ろう。家でのんびり過ごしたい」
空を見上げると小雨に変わる。俺は自分の傘を畳み、澁澤さんのさす傘の中へ。相合い傘だ!
「肩が濡れるよ、もう少しこっち。…新婚ぼけかなぁ?毎日がうきうきなんだ」
「俺もです。一颯さんのおかげで昼の休憩と仕事が終わったあとの楽しみが増えました」
小橋も俺も結婚をしてからというものの、あまり食堂は利用せず手作りのお弁当を持参する日が多くなった。雨もいいなぁ~、人気のない場所で傘を少し傾けキスをした。見ているのは綺麗に咲きほこる薄紫色の紫陽花だけ。……ちゅっと離れると心がぽかぽか。
あなたが大好きだ──。
「……?圭吾さん?」
「一颯さんは外ではキスをしないと言ってたけど。極、たま~に……」
「まぁな、普段は恥ずかしくて出来るかよ……そうだ、お袋から連絡があったよ」
お義母さんから?
「喬木さんの誕生日祝いをしようかって話しが出た。あの人たちのことだからな、半端じゃないような気がする。釘はさしといた、くれぐれも常識範囲内でお願いしますってな。どうする?」
「せっかくなのでお言葉に甘えましょう」
この判断が甘かった、澁澤一家を軽く見ていた俺が悪い。たかが誕生日祝いだ、ド派手にはしないだろう。次の土曜日に誕生日会、俺の本当の誕生日は、前日の7月⚪日なのだけど。
「連絡しとくよ」
「お願いします」
───夜の7時に帰宅すると、さきにお風呂のタイマーをセット。久しぶりに一緒に入ろうか?となった。
脱衣所でいそいそ脱ぐ俺とは対照的に自信があるのか澁澤さんの脱ぎ方は大胆だ。……うあ、引き締まった裸体。ゴクンと喉がなる。
「ぷっ、圭吾さんはいつまでたっても。ま、いいや。さきに入るね」
(はぁ……目の保養だ!)
鼻血が出そうです。引き締まった背中に見惚れた。交代で髪の毛と体を洗い、最後は2人でバスタブに浸かるのだけど……澁澤さんのが……当たってる。
※休んでいる間、閲覧、スターありがとうございました!喬木さんbirthdaySSは新婚さん、甘めのお話しです。誕生日の話題をどこかで書いた記憶があるのですが、今後出てきたら修正しときます(^-^;)💦
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