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はっきり告げてくれるよ、たんに出無精なだけです。休日は、よほどの用事がない限り外出をしたくないんだよ、ネトゲをしたい。
小橋は各部署で提出済みの立て替え経費の精算表をデスクの上へと置いた。チェック後はPCに入力をし、人事部の蛍光灯を確認しに行かなくては。……いいなりだ。
「来年の春は花見に行こうぜ。お前もそろそろ彼女を作れよ、紹介する」
「興味ない」
「……そっか」
失笑の小橋が離れて行く。顔を上げ、パソコンの液晶ディスプレイを眺め考えていた。
一級建築士の蜷川さんデザインのモデルハウスが、アンケート調査で一番人気だったのは頷ける。
斬新な家のフォルム、リビングやキッチンの使い勝手が良いだけではなく二階へ続く階段、ベランダ、子供部屋、夫婦の寝室。
家は、外観だけではないのだな。
澁澤さんと2人のベテランインテリアコーディネーターが担当をした部屋は家族の空間を大切にした、暖かみのある部屋だった。
収納ケースの上に壁掛けを建てて観葉植物を飾り、緑を小さく散りばめることで植物が主張しすぎることなく家の景色としてすんなり馴染み、自然な癒しを与えていた。
仔猫の縫いぐるみやほんの遊び心で飾られた玩具が意表を突いており、意外にもしっくり馴染んでいた。
もしかしたら誤解が解けるかも……。
心穏やかな和む雰囲気を作れる人なのだ、澁澤さんの目を見て誠心誠意、心を込めて話そう。
そうと決まれば有給を取るか。
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