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「降りるのか降りないのか、どっちにするんだよ?」
「降り、降り……!」
降りないに決まっている。だって俺は、ほんとになにもしていないのだ。
「あなたさ、どっかの商社の社員だろ?その社員バッヂ、どこかで見たことあるんだよねぇ。えーと、どこだっけかなぁ?こんなくだらない事で一生を棒に降りたくないでしょ。素直に認めろよ、俺だって許してやらない事も」
「だから何度も言ってますが、俺はしてません!貴方の頭がおかしいんじゃないんですか?」
「おかしい?」
頭一つ分、俺より背が高いからって、鋭い視線を投げつけないで下さい。
半強制的に、半ば強引に、俺の腕を掴むと次の駅へ引きずり降ろす。ホームへ降りると不穏な空気が漂う。
会社!あと2駅なのに……。
目の前ですごむイケメン、半端ない。ポスターみたいなものを縦長に丸めた棒で俺の頭の上を「ほらほら早く吐きな。それか貴方は男のケツを触って喜んじゃ うホ○ですかぁ?」軽く叩く。意地悪そうに整った唇の端を上げていた。
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