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「美作さん、お願いだからパンツのことは誰にも言わないで」
「んー、どうしましょう?」
彼女は俺の下半身をじろじろ見ながらにやけている。
くっ…一生の不覚。
なんとかしなければ。
「あのっ、美作さん。この学園の地図をあげるから内緒にしてくれないかな?」
「えっ…『そんなもの』誰が欲しがるのですか?」
うおぉいっ。
この学園の地図が『そんなもの』だと。
かなり貴重だぞ、レアだぞ。
これがあっても俺は迷子になっているのにいらないだなんて。
「地図はいらないけど、原田先生の写真だったら欲しいかもです」
やっぱり原田先生には敵わないなぁ。
原田先生の顔を思い浮かべていたら何とも言えない気持ちになった。
俺はどんどん切なくなってきて、彼女から目を逸らした。
「………………相良先生の写真だったら原田先生の写真より欲しいのですよ」
「えっ?今何か言った?」
「な、何も言ってないですよーだっ!変態イチゴパンツ!」
「俺は変態じゃないっ」
俺は切なさからか、彼女が何を言ったのか聞き取れなかった。
あっ、口止めしなきゃ。
「美作さん、お願いだから言わないでね」
「じゃあ、私のお願い聞いてくれたら内緒にするのです」
「聞くよ!」
「男に二言はない…ですね?」
俺は思いっきり首を縦に振った。
それを見た彼女は今日1番の笑顔で、これからの俺の人生を大きく変える発言をした。
「相良先生、私の部活の顧問になって欲しいのです!」
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