自称神様の戯れ

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美作美琴…自称神様に脅されてから1週間が経った。 『あの先生、イチゴパンツ履いてるんだってー』などと噂になることもなく平穏な生活を送っている。 あの出来事が夢のようだ、いや夢ではないのだけれど。 だって… 「相良先生、歩くの速いのですよ。私疲れちゃったのです」 「次の授業に遅れたくないからね。そして美作さんの教室はこっちじゃないんだから、俺についてこないの!」 彼女は毎日俺についてくるのだから。 おかげで迷子にはならなくなったけど、最近の悩みの種である。 「私が誰について行こうとそれは私の勝手だと思うのですよ。むふぅ…」 毎度の事ながら、彼女は頬っぺたを膨らましていた。 時計を見ると後2分で授業開始だったので、早く教室に戻るよう促した。 「美作さん、後でちゃんと時間作るから教室戻ろう?」 「本当なのです!?」 「うん。さぁ、教室行って授業頑張ってこい」 「約束なのですよっ!」 そう言って彼女は右手の小指を立てて、俺の目の前に出し、指切りを催促してきた。 「ゆーびきーりげーんまーん、うーそつーいたーら」 「嘘ついたら?」 「相良先生がイチゴパンツを被って校内を徘徊するだけなのです」 「約束守らなかった代償が約束と見合ってないよ!」 俺、イチゴパンツに呪われてるのかな。 好きなんだけどね、イチゴパンツ。 その時、授業を告げる鐘の音が静かに鳴った。 「授業が始まってしまった…」 「相良先生のせいで私遅刻なのですよ」 「はい!?どう考えても美作さんのせいだよね。なんで俺のせいになってるんだよ。俺だって遅刻なんだけど……っていない!」 俺が彼女から一瞬目を逸らした隙に、彼女は俺を放置して走り去っていた。 これ以上授業に遅れたら大変だもんな…なんて思っていると、 「相良先生、また迷子ですかー?迎えにきましたよー」 俺がこれから授業をするクラスの生徒が苦笑いしながら近づいて来た。 約束破ってないのに神様の罰が当たった気分。 くそう…後で覚えてろよっ!
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