自称神様の戯れ

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俺が声を押し殺して言うと、原田先生は咳払いをして慌てて話を元に戻した。 「相良先生は美琴さんに迫られて、その魅力にノックアウトの話ですよね?」 「勝手に俺の思い出を改ざんするのやめてもらえますか?」 原田先生はふざけていたが、俺は1週間前に彼女に脅されたことを嘘偽りなく話していたのだ。 ただ、イチゴパンツの話は抜きで。 「原田先生があの時助けに来なかったこと、根に持ってますからね」 「いやぁ、僕も目隠しして歩き回るつもりだったんですけどね。可愛い女の子たちに囲まれたらそっち優先させちゃいますよ」 「だからって俺を放置することないでしょ」 そう、原田先生はあの時俺を置いて女子生徒と一緒に、自分が顧問をしている料理研究部で活動していたのだ。 「相良先生なら1人でも大丈夫かなって…ごめんなさい」 「もう過ぎたことですから、いいですよ」 「うふふっ、相良先生は美琴さんとイチャついていたわけですから僕は謝る必要なかったですよねー」 原田先生は俺の頬っぺたをツンツンつっついてきた。 その行為が自分が彼女の頭を無意識のうちに撫でてしまったことを思い出させ、意識する原因となった。 「…イチャついてませんっ」 「本当ですか?」 原田先生の笑顔がものすごく怖い。 「本当ですよ。相手は生徒ですよ?イチャつくだなんて…」 「赤くなってるところがますます怪しいなぁ。んっ?噂をしていたら相良先生が大好きな美琴さんがきましたよ」 「そうやってからかわないでくださいよ……あっ、本当だ。まだ授業中なのにどうしたんだろう」 彼女はお弁当を抱えて職員室の入口付近でうろうろしていた。
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