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「冗談じゃねーよ。真面目な質問。
だからさ~俺からキスするのと、お前から自主的にするのと、どっちがいいって聞いてんの。」
遊はじっと真人の目を見据え、同じ質問を繰り返す。
冗談を言ってる目ではない。
真人はクリッとしたアーモンド型の目を、これでもかと見開き、顔を真っ赤に染めると
「それっ!
その二択おかしい。なんで、キスする前提で話してんだよ。
えっ何?遊、今日何か変なもん食った?お前大丈夫か?」
「ちーがうー。俺は真面目に聞いてんの。
ほら、真人、一つ選んで、どっち?
ちなみに拒否権はありませーん,」
「…つっ!どっちって?なんで?」
「はいはい、口ごたえしない!
真人く~ん。質問にはちゃんと答えましょうね。
だからさ~どっちがいいの?」
「…うぇっ…(えっ?どっち?
自分からキスするとか、恥ずかし過ぎる~!
くそっ!俺、経験ないし。
キスってどうやるんだっけ?
えっ?えっ?自分から?
絶って~無理~)」
プチパニックに陥った真人。
フル回転で考えをめぐらせている中、ちらっと遊を見やると、目を細めて、真人を愉しそうに見つめている。
「(うぅっ、遊は経験あるんだろうな。
背高いし、かっこいいし。クラスの女子もキャーキャー言ってるし。
女の子の話とか聞いたことねーけど…)」
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