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真人は思わず首を竦め、目尻にシワを寄せてギュッと目を閉じた。
でも、いつまで経っても衝撃が来ない。恐る恐る瞼を開くと、そこには、鼻筋の通った遊の顔。
自分とは違う意思の強そうな眉、鳶色の瞳。薄い唇
「……な…に?…」
「…いやっ。…かわいいなって思って…
キスされると思って、目を閉じるとか……」
(なっ!)真人は恥ずかしさに顔から火が出るかと思うほど、頬が熱くなる。
「ばっ、バカっ。からかったのか?
うぅっ!やだっ!しないー。もっ離せ、このヤローっ!」
遊の腕から逃れようと、真人はジタバタもがくが、体格の差があり、拘束から逃れることができない。
「ぷはっーごめん。ごめん。からかってないよ。
キスを待ってる真人が、ちょー可愛かったからさ。
はいはい。大人しくしな。
じゃっ。…本番な…」
遊の目が艶やかにギラリと雄の色を帯びる。
遊は右手を真人の後頭部に添えると、ぐいっと顔を引き寄せ、そのままゆっくりと真人の唇に自分の唇を合わせた。
(むっ!くちーっ?!)
真人はパニックになり、遊の体をバンバン叩いて抗議するが、遊は全く動じない。
重ねてただけの唇から、移動して上唇をねっとりと含 み、吸い付く。次は下唇を挟み、舌先で嬲る。
唇を離し、舌先で真人の唇の形をなぞり、一周した後、また唇を合わせてくる。
なんだよ。その舌技!遊~お前エロい~なんだよ。なんなんだよ。このキス!
「…ふっ、うっ…」
息をするのも忘れていた真人が、堪らず声を漏らした瞬間。
一気に遊の熱い舌が口内に侵入してきた。
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