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「ふっ……うぁ……ん…ぁ…」
クチュクチュとリップ音と二人の吐息が部屋に篭る。
「…はぁ…まひとっ…かわい…」
貪るように食いつかれ、荒々しいキスが降る。舌先が絡め取られ、キツく吸い付かれる。
「うぁっ…やぁ…ん…あぁ…」
真人は、初めてのキスに翻弄され、完全に体の力が抜けてしまった。
この奔流に飲み込まれないように、ただただ必死に遊のシャツを握りしめていた。
唇の端から飲み込めなかった唾液がツゥーっと流れ、そのまま顎を伝って行く。
拭うことも気に止まらず、二人は何度も行為に没頭する。
しばらくして、やっと遊から唇を離した。
最後にチュッというリップ音を立てた軽いキスを落として。
遊は真人を抱き寄せ、頭を肩に持たれさせ、息が整うまで背中を優しく撫で続けた。
息が落ち着き、真人が口を開いた。
「遊……」
「何?」遊の声音は蕩けるように甘い響きだ。
「あのさ。聞いていい?」
「いいよ…。」
「どうして、キスなの?
なんで俺?それも濃厚なやつ。ねっ、なんで?」
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