1.ペパーミント

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遊は眉を寄せ、苦笑いしながら、この鈍感な愛しい子が勘違いしないように、ハッキリ言った。 「…真人が好きだから……キスした…。」 「えっ!!」 真人はこれでもかと大きく目を見開き、口も大きく開けっぴろげた。 「えっ、あっ、そうなんだ…」 「そうなんですよ。」 「じゃ、あのさ、聞いていい?」 「なんでもどうぞ。」 「あのっ、つっ…キッスなんだけ ど……いつもあんなの… えっと…濃厚なの…してるの? ……うッ…お、おんなの子と……さ……」 真人は、言いながら、だんだん声が尻すぼみになり、なんだか涙目になってくる。 遊が他の女の子と、キスすると考えるだけで泣きたくなってくる。 「まひと…泣かないで。」 「えっ?泣く?」 遊の長くて無骨な指が伸びてきて、真人の目元を拭い、両手を頬に添えた。 「聞いて真人。あんなキスするの は真人だけだよ… 真人だからキスしたいんだ。 他の人とはしないよ。」 「本当っ?」 「うん、本当…だからね、真人。 真人も他の人としちゃだめだよ。」 「う?うん。」真人は訝しげに首を傾げる。 「それとね、真人は、 一生童貞決定だから♪」 「うぇっ?」 「拒否権 はありませーん。 大丈夫、俺がずっと側にいるから。 これからゆっくり、キス以上の ことも教えてあげるよ。」 遊が意地悪い笑みの顔になった。 真人はその言葉に、羞恥で顔が真っ赤に染まる。 「ばかーっ!勝手に決めるなーっ!」 真人は拳で遊の胸をポカボカ叩きながら、 それでも、やっぱり遊の側が一番 落ち着くと、改めて思うのであった。 べパーミント end. 2014.7.12
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