1章 地獄暗殺者と孤児院

11/22
前へ
/409ページ
次へ
白皇はため息をついて 「空、海、モデルガンじゃ、僕は脅せないよ?」 と左側に立つ少年二人を見て言い 「百合、女の子が木刀なんて物を持つものじゃないよ?」 右側に立つ少女に微笑みながら声をかけた。 「うーん……驚かせるくらいできると思ったのに。な、海」 モデルガンをおろした少年は自分の横に立つ少年、海を見た。 海と呼ばれた少年は 「やっぱりさ、オモチャじゃダメなんですよ空ぁ」 モデルガンをプラプラとさせて横に立つ少年、空に言った。 二人はとても似ている顔で違いといえば空は左足が義足で、海は右腕の肘から先が義手という事だけ。 「全く、驚かないなんてさ、予想してたみたいでなんか嫌だぁ」 右側に立つ少女は頬をふくらませた。 「百合は木刀なんか持たないで料理でもやったらどうだ?」 白皇は少女を百合と呼んだ。少女、百合は 「だってぇ、百合は女の子より男の子に向いてるって、言われたんだもん」 ツン。とそっぽを向く百合。 白皇は頭を撫でて 「そんなことないよ、百合は可愛いじゃないか」 と言った。 「百合の右目はないんだよ?眼帯なんだよ?可愛くないよ」 百合は眼帯している右目を指さした。 「目がなくても、眼帯でも可愛いのは可愛いんだよ?」 百合は微笑む白皇を見てとても嬉しそうに笑った。
/409ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加