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白皇はため息をついて
「空、海、モデルガンじゃ、僕は脅せないよ?」
と左側に立つ少年二人を見て言い
「百合、女の子が木刀なんて物を持つものじゃないよ?」
右側に立つ少女に微笑みながら声をかけた。
「うーん……驚かせるくらいできると思ったのに。な、海」
モデルガンをおろした少年は自分の横に立つ少年、海を見た。
海と呼ばれた少年は
「やっぱりさ、オモチャじゃダメなんですよ空ぁ」
モデルガンをプラプラとさせて横に立つ少年、空に言った。
二人はとても似ている顔で違いといえば空は左足が義足で、海は右腕の肘から先が義手という事だけ。
「全く、驚かないなんてさ、予想してたみたいでなんか嫌だぁ」
右側に立つ少女は頬をふくらませた。
「百合は木刀なんか持たないで料理でもやったらどうだ?」
白皇は少女を百合と呼んだ。少女、百合は
「だってぇ、百合は女の子より男の子に向いてるって、言われたんだもん」
ツン。とそっぽを向く百合。
白皇は頭を撫でて
「そんなことないよ、百合は可愛いじゃないか」
と言った。
「百合の右目はないんだよ?眼帯なんだよ?可愛くないよ」
百合は眼帯している右目を指さした。
「目がなくても、眼帯でも可愛いのは可愛いんだよ?」
百合は微笑む白皇を見てとても嬉しそうに笑った。
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