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「菊ばぁ!」
百合はそう叫びながら廊下を駆けていくと廊下の突き当たりから車椅子のおばぁさんが真面目そうな眼鏡をした十八歳くらいの女の子に車椅子を押されながら現れた。
「百合。廊下は走っちゃだめよ?」
百合は車椅子に座るおばぁさんに抱き着くと
「ごめんなさぁい。でもね菊ばぁ聞いてよ!!白にぃがね帰ってきたんだよ!」
百合はとても嬉しそうに言った。
「そう。それは嬉しいわね」
菊ばぁと呼ばれたおばぁさんはニコリと微笑んで車椅子を押してる女の子の方を見て
「スミレ、押して頂戴」
と言った。スミレと呼ばれた女の子はコクリと頷いた。
そして、白皇の目の前まで車椅子を押して止めると菊の肩を軽く叩いた。
「白ちゃん、おかえり」
菊はニコリと微笑んだ。
白皇はしゃがみこんで菊の手を取ると
「菊ばぁ、ただいま。」
と言った。
菊は白皇の手を伝って白皇の顔まで手を移動させて白皇の顔を撫でた。
「あら?何か疲れてるのかい?ストレスが溜ってる感じがするわよ?」
菊は表情を曇らせる。
白皇は頬に触れている菊の手に触れると
「そうだね。ここ最近薬を投与し続けたからね、体が疲れてるのかも」
と言った。菊は悲しそうにうなずく。
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