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全員に配り終えた白皇は立ち上がり伸びをする。
「ふぅ。これで全員か?」
後ろで見ていた菊とスミレを見る。
「おっと…」
白皇はリンゴを取り出すとスミレに渡した。
「スミレが最後になっちまったな、ごめんごめん。」
スミレはリンゴを持つと首を横に振った。
「ん?いらないのか?」
スミレはまた首を横に振る。
「最後って事を否定してるのか?」
スミレはコクリと頷いた。
「まだ、他にも子がいるのか?」
スミレは頷く。
「あ、椿ちゃんが来てないの?」
菊が思い出した様に言う。
「椿?そんな子いたっけ?」
「ついこないだスミレが連れてきた子なの。スミレちょっと呼んできてくれるかしら?」
スミレは菊の肩を一回軽く叩くと子供達が駆けていった方へと小走りで向かった。
「菊ばぁ、その椿って子は何でここに来たんだ?」
「なんかね、イジメにあってたみたいで全身ボロボロな所を買い物途中のスミレが発見して連れてきたのよ。」
「精神的な方の怪我か…」
「それが、また重症でね、人間恐怖症というか、誰とも話してくれないの…」
「菊ばぁにもか?」
菊は頷く。
「でも、スミレにだけは話すみたいでね。スミレしか椿ちゃんの相手ができないから色々と大変で……」
菊は困ったわ。と考える。
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