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「なぁ…」
「何です?」
僕と彼は目の前のベッドで寝ている女子高校生を見ながら話しをする
「この子は最後に気絶をした。僕達が助けに入らなかったらあの場で警察に捕まってただろ?」
「そうですね…」
「………不合格か?」
僕は彼の顔を見る。
彼は珍しく裏がない純粋な笑みを口元だけ浮かばせて
「白は昔から察しが悪いし、空気が読めませんね。ま、あなたにとって空気は吸うものでしたもんね」
「うるせ。お前も昔から回りくどいんだよ。もっとストレートに喋れって言っても、その喋りじゃなきゃ落ち着かねぇんだよな?」
「分かってるじゃないですか。」
彼は立ち上がり
「私は不合格の人をベッドに上げるほど、広い心は持ってませんよ」
というと部屋から出ていった。
「だから、黒は回りくどいんだよ」
僕はため息をつきながら多分笑っていたのだろう…
だが、鏡の無いこの部屋で自分の表情を確認できる術は僕は持ち合わせていなかった
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