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一人になった白衣の男は椅子に座り直すと背もたれに全体重をかけ天井を見上げる
「僕は強姦殺人が5人組だなんて言ってないんだよなぁ……」
そう呟いて携帯をズボンから取り出すと
「さっきのアイツは黒が始末してくれるから……5人組は緋雨ちゃんにでもお願いしようかな」
電話帳に記録されているとある番号に電話をかけた。
薄暗く最低限の医療器具しか置かれていない無機質な部屋にプルルルルと軽快な音が部屋に響く。
「やぁ、緋雨ちゃん」
相手が電話に出たのを確認し名前を呼ぶ
「……今どこにいるんだい?……何でまた駅の裏なんかに……バレてないよね?…………いや、最近活溌すぎというか、殺りすぎじゃないか?……まさかとは思うけど楽しんでるなんてことはないよね?……そう?じゃあ、気分はどうさ?」
電話の向こう、白衣の男の質問に答えようとした女性の声は答えまで言わず電話が切れてしまった
「緋雨ちゃん!?」
思わず切られた電話に相手の女性の名前を叫ぶが返事は来るはずがない。
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