7人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはようございます黒影さん」
緋雨はフリル付きのスーツのような服を来てカウンター席の奥でコーヒーをいれている黒影に挨拶をした。
「緋雨さん、おはようございます。気分はどうですか?」
「まぁ…だいぶ良くなりました。まだ夜になると色々と不安になりますけど…」
「誰も最初はそんなものですよ。………緋雨さん。」
「はい?」
黒影はカウンター席を挟んで向かいにいる緋雨を見るとため息をついた
「ネクタイ結べないんですか?」
「えっ……とぉ……」
緋雨は黒影から目をそらした。
「形になってるといえばなってますけど、不格好ですね…」
「ごめんなさい」
「まぁ、しょうがないでしょう。」
黒影はそういうとカウンター席の端にある扉を通り緋雨の元に来るとしゃがみ緋雨のネクタイを取り、付け直した
「いいですか緋雨さん。ここで輪っかを作りそこに通すと綺麗にできますよ」
「……すみません。見えないです」
「あ、そうですね。では 今度、教えますよ……白が」
「黒影さんって白皇さんによく仕事とか投げつけますね」
「ネクタイの結び方を教えるのとは話が違ってきますけど、まぁ、投げつけますよ。白は言われないと仕事をしないタイプですから」
「あ、そうですか…」
「はい。出来ましたよ。バイトの時間以外で結ぶ練習でもしといて下さい」
「頑張ります」
黒影は立ち上がるとカウンターへと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!