1章 地獄暗殺者と孤児院

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「……それで開店10分前ですけど白皇さんいませんね」 緋雨はテーブルを拭きながら時計を見た。 「あぁ…白なら朝から出かけましたよ」 黒影はグラスを拭きながら答える。 「出かけって…私みたいな偽善者探しですか?」 「偽善者と容易に口にしないで下さい。」 「すみません…」 「まぁ、白は毎回毎回探しに行くわけではありません。時々ですよ。それに偽善者を連れて帰ってくるのもたまたまですよ。」 「そうなんですか…。ならどこへ出かけたんですか?」 緋雨はテーブルを移り違うテーブル拭き始めた。 「孤児院に行ってるんですよ」 黒影は棚にグラスを戻して、今度はコーヒー豆を取り出してコーヒーを作り始めた。 「孤児院?」 「その疑問系は孤児院の意味を聞いているんですか?それとも孤児院に行っている理由を聞いているんですか?」 「理由の方を聞いてます」 緋雨はムスッとした顔で言った
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