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「……それで開店10分前ですけど白皇さんいませんね」
緋雨はテーブルを拭きながら時計を見た。
「あぁ…白なら朝から出かけましたよ」
黒影はグラスを拭きながら答える。
「出かけって…私みたいな偽善者探しですか?」
「偽善者と容易に口にしないで下さい。」
「すみません…」
「まぁ、白は毎回毎回探しに行くわけではありません。時々ですよ。それに偽善者を連れて帰ってくるのもたまたまですよ。」
「そうなんですか…。ならどこへ出かけたんですか?」
緋雨はテーブルを移り違うテーブル拭き始めた。
「孤児院に行ってるんですよ」
黒影は棚にグラスを戻して、今度はコーヒー豆を取り出してコーヒーを作り始めた。
「孤児院?」
「その疑問系は孤児院の意味を聞いているんですか?それとも孤児院に行っている理由を聞いているんですか?」
「理由の方を聞いてます」
緋雨はムスッとした顔で言った
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