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見たこともない、陽光に照らされた世界。
不思議となんの抵抗もなく想像することができた。
ひょっとしたら覚えていないだけで、ぼくは、外の世界で暮らしていたことがあるのかも知れない。
ーーそう思った。
外の世界に対する憧れがあった。
他者に触れ、自由に交流し、じゃれあえる世界が実在するだなんて、とても奇跡的だとすら考えていた。
ぼくには分かっていた。
いつも父が出入りする時に開けている扉。
その鍵さえ壊してしまえば、いつだってこの暗い世界から飛び出せることを。
そうすることは、時間ならいくらでもあるぼくにとっては簡単なことだということも。
けれど、一度もそれを実行に移そうと考えたことはなかった。
そうすることが怖かった。
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