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「マック、どしたん?」
いつでも一番に異変に気付くトッポがキッチンで昼食を準備しているジャッキーに訊ねた。
「風邪やって」
ジャッキーは手を止めず簡単に答える。
「嘘やん、アホは風邪引かんって言うや~ん」
ガムは少林寺拳法の形を次々と繰り出しながらニヤニヤと笑い、何か面白いことになってるんなら俺も誘えと言わんばかりだ。
「知らんわ、本人が風邪や言うんやから風邪なんやろ」
ジャッキーはガムに目配せしてミルクを注いだコップを雑にカウンターに置いた。
「ええ~!マック風邪?俺今日病院行くんに!誰か付いてきてぇやぁ~」
意外にもマックの不調に打撃を受けたのはエースだった。
「たまには一人で行きぃ。視力検査やろ?」
「視力検査ちゃうわ!もっと色々調べるわ!」
ぶつくさ言いつつ華麗にダーツを放って的を決めると、エースはホールから出ていった。ぷりぷりと怒る彼は存外可愛いのだ。
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