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汗で額に張りついた長い前髪を骨っぽい指が梳くと、マックは重たげに目を開けた。
「俺、どれくらい寝とった?」
「まるぅ、2日くらいやな」
「そぉか…」
マックは淀んだ瞳で、ぼんやりとジャッキーを見つめる。
「腹減っとらんと思うけど、なんか入れといたほうがええで。用意してくるわ」
「いらん」
「まだジョニーおるしや、なんか作ってもらお」
「ここ、おって」
マックは起き上がり、ジャッキーの手首を強引に掴んで引き寄せ、細い足を掬うと簡単にベッドの上に組み敷いた。
「半分、おたくの匂いでうなされてたんやから、責任とってや」
囁くような低い声と熱に浮かされて潤んだ眼差し。
甘苦しい疼きがジャッキーの身体を駆け巡る。
「あんたや!勝手に俺のベッドに入ったん!」
口ではマックを抗ったが、本当は嬉しかった。
「ジョニーがまだホールにおるって!」
乾いた皮膚の上に浮き上がった青い血管が美しい、しなやかな腕に拘束されたら最後、無理に振り解く気にはなれなかった。
ジャッキーも両方の腕をマックの背にまわし、肌理の細かいひんやりとした広い胸に火照った頬を押し付けた。
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