26人が本棚に入れています
本棚に追加
*
それから数日、マックは何事もなかったように通常通りの始末屋稼業に勤しんでいた。
仕事のない日はエースの通院に付き添い、お気に入りの絵本を読んでは号泣し、アーセナルの淹れたコーヒーを絶賛した。
夜半、いつものようにポーカーに興じながら、ジャッキーはどこかでマックが自分にだけには打ち明けてくれるのではないかと期待していた。
感覚を研ぎ澄まして、心を見透かす無言の攻防戦。
だが、マックは一手先も予測させてはくれない。
「勝負はな、いつもクールなヤツが勝つとは限らんで、マック」
「それは俺の手札見てから言うんやな」
「俺は丸腰やで。仕掛けてみぃ」
10、
J、
Q、
K、
A、
All black spade.
「ロイヤルストレートフラッシュや」
最初のコメントを投稿しよう!