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ジョニーはこう切り出す。
「ちゃうで。もっと、君のことが知りたいねん」
隣の椅子に深く腰掛けた女は、的外れにはしゃいだ。
(ホンマは知りたくもないけどな)
アンダー、四つ打ち、ドメスティック。先月と同じルーティンでフロアの温度はピークに差しかかっていた。
(このあとはあの大ネタやろ?フロアバンガー)
次の曲がかかり終わるまでに、全て聞き出そう。
情報処理と状況判断が雑になってきた。
パーティーの隅で自分を待つ何より時間を大切にするあの人を、これ以上焦らせたくない。
瀟洒なカクテルで喉を潤す女の厚みのある肩をそっと抱き寄せ、ジョニーは艶然と微笑んだ。
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