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ジョニーが力なくため息をつくと、ジャッキーのツッコミが鋭く決まる。
「いたぁ…。___ジャッキー、こどもの家の時みたいにさぁ、一緒に風呂入らへん?」
「バスタブないやん」
「あ、そやった」
「こないだお前が温泉の素、買うてきたやろ?マックが『これどないすんねん』て言うてたで?」
「またマックの話…」
「なんて?」
「んーん。じゃあ、帰ったらなんか作って。俺今日めっちゃ頑張ったから腹減ったわぁ」
「おお、ええでぇ」
「んふ。約束な!」
ジョニーはジャッキーの小指に自分の小指を絡めた。
「これまた、可愛らしいことするなぁ~」
「ジャッキーには可愛らしさが足りひんねんて」
「ベンキョーになるわぁ~(笑)」
月が空に消える前に、あの思い出から旅立てるだろうか。
ジョニーは小指から伝わる温度を感じながら、ジャッキーに無邪気に微笑みかけた。
何もかも悟ったような顔で。
end
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