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ひんやりした手のひらが薄褐色の身体を慈しむように撫でる。肩、鎖骨、腕、薄い胸の上の突起。
重たい前髪がジャッキーの頬をくすぐり、柔らかい唇が傷口に触れると思わず息が漏れた。
「俺に全部、くれんねやろ?」
ため息交じりのジャッキーの言葉を聞きながらマックは椅子を跨いでベッドに乗りあげ、ジャッキーの身体を胸に抱くとゆっくりと寝台に身体を倒す。
「そうやったな」
舌を挿し入れて口の中をかき回す。首筋を舐め、耳たぶを食む。
胸の突起を吸い、その先を舐る。
マックの唇をその肌に受ける度、ジャッキーは自分の喉から漏れる喘ぎ声を聞いた。
足の間にマックの膝頭が割り入ってきた。
服を脱ぎ捨てたマックの白い身体が薄闇に浮かぶと、ジャッキーの鼓動は自然と高鳴る。
次の瞬間、マックはジャッキーの中にいた。
おかしな感覚だった。身体の中を抉られて擦られて、痛いだけのはずなのに、ナイフとは違う。
いつの間にかマックで満たされることだけを待っている自分に驚く。
腰を打ちつけるマックの白い肌から汗が流れ、ジャッキーは何かに沈みそうになりながらも、身体の重みの心地よさに眩暈を覚えていた。
その夜、二人は離れることができなかった。
自分たちの中にこれほどの熱があったとは予想もできず、鎮火しようと日が昇るまでの間に何度も抱きあったが、その度に収まるどころか火はますます大きくなり、結局どうしようもなかったので放棄した。
『一緒に生きよう』、そう思ったのはジャッキーだけはなく、マックも同じだったのだ。
end
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