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「原人か、お前は」
ジョニーが見つけた闇医者が“明日退院していい”と言ったと、暗い病室のベッドで横たわったまま報告するジャッキーに、マックは笑いながらそう返した。
「まだ激しい運動はアカンらしいけど」
「フットサル?」
「荒らしの途中やからな。ま、傷も完全に塞がってへんしぃ、しばらくはぁ、様子見たるわ」
「傷、見てええ?」
目線だけで了解の合図を送るジャッキーのかけ布団をはぎ、マックはジャッキーの服の合わせを開いた。
赤面してしまうほど綺麗な身体に、ひきつった笑いのような銃創を見つける。
「ヘッタクソに縫いやがって」
「これから誰んとこに嫁に行くわけちゃうし、かまへんよ」
カラカラと笑うジャッキーの傷を指でなぞったマックは「痛いか?」とだけ訊いた。
「あんたは、まだ苦しいん?」
ジャッキーはマックの質問に質問で返す。マックは少し間をおいて「苦しいよ」と答える。
「おたくと会ってから、ずっと苦しいまんまや」
マックの白い手がジャッキーの顎を掴み、弾力のある唇がジャッキーの唇に重なってきた。驚くこともなく、ジャッキーはその口づけを受けた。マックが一度唇を離すとジャッキーは顔を上げ、ぶつけるようにしてマックの唇に口づける。
「…マック」
掠れた声にマックの身体は熱くなる。
「お前が嫌なら、すぐに止めるから」
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