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知り合いに会っても握った手を離さなくていいからって言ってくれた。
まだその手の温もりも、あの声も思い出すことができるのに。
自分の手のひらをみて、妙に寂しくなる。
また――。
もしかすると、また……。
嫌な思い出が、ふっと過る。
突然振られる、あの辛さが……。
思い出して胸を締め付ける。
パーティだったから、だよね?
公の場だし、主人公の狩野さんいたし。
そうだよ……。
そうですよね、オオカミさん。
大丈夫。
まだきっと、大丈夫。
手を握られたとき、心の中も包まれた気がした。
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