第1章 内なる心情と死神の葛藤

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表向きには、沖田総司は結核で死んだとされ、かの有名な巌陵島にて厳しい修行強いられた。 そして、完成したのが今の総司が振るう天心流である。 「………。遅い……」 だが留奈はその一撃を難なくかわしてみせる。 それは、母譲りの能力…。 人間の限界を超えた超反応速度がなせる技だ。 だが、総司もその一撃では終わらない。 燕返しを応用し、横一文字に斬りかかる。 「………むっ!?」 キーンと言う金属がぶつかり合う音。 その一撃も留奈の超反応で受け止める。 だが… 「うぉぉぉぉ!!!」 「!?」 総司の一撃は日本刀を操るものにしてはなかりの剛腕であり、留奈の体は意図も簡単に飛ばされ、崖に激突。 その衝撃は大きなクレーターを作った。 「かはっ…。うぅ………。」 「くっ………。」 留奈の苦痛に歪む顔と声に総司自身も苦痛に思う。 手加減が出来ないほど留奈が強すぎるのだ。 実際、ただの幼い子供なら今の一撃で終わりなのだが、総司は今現状でも、けして気を抜いてはいない。 剣を構え、自身に剣気の結界を作り上げている。 「………。ブリザード……。」 と留奈がボソリと呟く。 「むっ!? こっ…これは!?」 突如、冷たい風が吹き始め、空から大粒の雪が降り始める。 「まさか!?」 ものの数秒で、吹雪に見舞われ、留奈の姿が見えなくなった。
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