第1章 内なる心情と死神の葛藤

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「くっ……。これでは…。」 寒さのせいで、五感が鈍り、心眼も使えず、折角張った剣気の結界もこれでは意味をなさない。 「………。 今度はこちらの番。」 総司の耳元で囁かれる留奈の声。 背筋がぞっとする程の殺気を感じ、その場を飛びよける。 だが、既にその場には留奈の姿はなく、よけた先で閃光の様な一筋の光が目の前をよぎった。 「くっ………。」 「………。あれ?……おかしいな……。 何で当たらない?」 「そこか!!!」 総司は声のした方に剣を振るう。 だが、空を切るだけで何も当たらない。 「………。今度こそ。」 「なっ!?」 総司の目の前に突如姿を現し、宙高く蹴り上げられた。 〝まずい…やられ……〟 「行くよ。総司お兄ちゃん…… 乱れ桜……」 〝くっ………〟 打ち上げられた体では身動き一つ出来ず、武器を振り上げ、今にも斬りかかって来そうな留奈を前に覚悟を決めた。 「…………。ん………。 何故だろう……。 おかしい……。」 けして表情を変えることなく着地し、己の手を不思議そうに手を見ている。 総司も着地するなり、腹を蹴られたダメージのせいか、バランスを崩し座り込んでしまった。 「まぁ……。これで終わり……。 バイバイ…総司お兄ちゃん。」
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