第1章 内なる心情と死神の葛藤

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「未来を…掴む為?」 留奈は空に手を伸ばし、拳を握る。 未来を掴むと言う事はどういう事なのかを噛み締めるかの様に。 「どうやら、少しは理解してくれたようだ。 後は……」 総司は、立ち上がると術式に向かい歩み出す。 けして、戦意の無い瞳で、術式前にたどり着くとその場に座り込み、両手をつき、頭を下げる。 俗に言う土下座である。 「すまなかった。 もはや、我々にはもう戦う意思はない。 どうか、その中からでてきてほしい。」 「……………。 わかった。 由奈君の治療も終わった所だ。 だが、安静にしなくてはいけない状況だと言う事は理解してほしい。」 「心得た。」 その言葉に応じ、術式が解かれていく。 「すまなかった。 由奈殿の容体は?」 「うむ。時期、目が覚めるだろう。 しかし、君の一存で戦いをやめて良いのか?」 「無論だ。 以前より、レヴァンティンの旦那に何かあった時は、この沖田総司が後を次ぐ事になっている。 そして、私がリーダーとなった今! 我々、レヴァンティン一家は、真戦組と名を変え、 ギルド『ログフォース』と同盟を結びたいと思う! 良いだろう?皆の衆!!」 ジョン戦から時には凍りつき、寒い思いをしながらも、静かに見守っていたレヴァンティン一家の面々は、互いに顔見合わせ話し合いだし、満場一致で喝采を上げた。 「総の旦那!! 俺たちはあんたについて行くぜ!!」 「ログフォースの一派になれんなら、俺たちも英雄の一味ってことだろう? 鼻が高いぜ!!!」
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