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「と言うことだ。
よろしく頼む。」
と総司は拓也に手を差し出す。
だが拓也は、慌てた様子でチラリと岩場で眠る由奈を見て言った。
「ま…まて!私のギルドじゃないんだ。
由奈に聞いて見ないとな。」
「いっ……良いんじゃない?」
「おぉ!?由奈殿!!!」
二人の会話を聞いていた由奈はゆっくりと体を起こし、辛そうな表情を浮かべ話に入ってきた。
「由奈君!」
「私もレヴァンティンの家系だし、ジョンは私の従兄だから…
それに……」
由奈は、ゆっくりと振り向き、留奈を見ると安心した様な表情でクスリと笑う。
「あの子のあんな顔…見たことない…
総司さんは、私達に出来ないことをやってのけたのよ。
それでこの勝負はチャラでいいわ。」
留奈は、何時もの様な暗い顔をせず、歳相応の純粋無垢な少女の顔で由奈と総司を交互に見ている。
そして、由奈に問いかけた。
「………。おばさん…
総司お兄ちゃんとはもう戦う必要はないの?」
「うん。もう戦わなくていいの。
総司さんは仲間になったのだから。」
「………。そうか。
ホッとしたら何だか力が……
……!?
なっ!!なんだこれは……
目から水が……
うぇっ!!しょっぱい……。」
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