第一章

4/5
前へ
/22ページ
次へ
それから、澪と接することが少なくなった 慶太は更に仮面を増やし、素を見失った 慶太、というキャラで周りと接する 素を見失うくらい多くのキャラで 澪に見せておけばよかったという後悔ともう、誰にも見せないというくだらないプライドのために 「あ、お父さん!」 「よっす!」 いつの間にかあだ名はお父さん 皆が求める慶太にあったあだ名 「ちょっ親方!手伝って!」 「なしたのさー?」 風格のあるあだ名 慶太の見た目にピッタリなあだ名 「このオヤジ!」 「うるせえよガキ!」 歳上によく使うあだ名 慶太の顔に合ったあだ名 慶太は色んなあだ名がある どれもこれも、見た目や客観的に相手に求める時のキャラの中身のあだ名 名前で呼ばれても、もうキャラしか残ってない 慶太は、素で居れる相手を失った 自分1人で居れば居るほどにキャラが深くなり、素が薄くなる 誰も彼は怒らない、誰も彼に違和感を感じない 何故なら、皆が求めるキャラになってるから 彼自身がはめた枷、締めた首 もう、誰も、親も、澪ですら、彼を救える人はいない 素の慶太を引き戻せる人はいない
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加