0人が本棚に入れています
本棚に追加
それから、澪と接することが少なくなった
慶太は更に仮面を増やし、素を見失った
慶太、というキャラで周りと接する
素を見失うくらい多くのキャラで
澪に見せておけばよかったという後悔ともう、誰にも見せないというくだらないプライドのために
「あ、お父さん!」
「よっす!」
いつの間にかあだ名はお父さん
皆が求める慶太にあったあだ名
「ちょっ親方!手伝って!」
「なしたのさー?」
風格のあるあだ名
慶太の見た目にピッタリなあだ名
「このオヤジ!」
「うるせえよガキ!」
歳上によく使うあだ名
慶太の顔に合ったあだ名
慶太は色んなあだ名がある
どれもこれも、見た目や客観的に相手に求める時のキャラの中身のあだ名
名前で呼ばれても、もうキャラしか残ってない
慶太は、素で居れる相手を失った
自分1人で居れば居るほどにキャラが深くなり、素が薄くなる
誰も彼は怒らない、誰も彼に違和感を感じない
何故なら、皆が求めるキャラになってるから
彼自身がはめた枷、締めた首
もう、誰も、親も、澪ですら、彼を救える人はいない
素の慶太を引き戻せる人はいない
最初のコメントを投稿しよう!