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・・・・・あれ、ここは・・・・
「ソレ」は目覚めた。
そこはボロ屋だった。
建っているのがオカシイほどの。
「ソレ」が首を動かすと傍に男がいる。
身分は高そうだ。
ボロ屋には考えつかないぐらい身なりは整っている。
恐らくは、男である「ソレ」でさえも舌を巻きたいぐらいの美形。
その隣には「ソレ」を産んだであろう女。
二人は何か会話をしている。
「本当にぃ?ありがとぉ!愛してるわぁ」
甘ったるい、吐き気を催す声で女は男の腕にしなだれかかった。
「あぁ。俺も愛してるよ」
そう女に囁きかけながらも男の目は冷たい。
ああ・・・自分の父親はこれで、母親はこんなケバい女なのか。
「ソレ」は産まれて数日にも関わらず知性を持っていた。
ーーーーー自分は、記憶を持って生まれ変わったのか。
さよなら、昔の幸せだった自分。
こんにちは、クソみたいな世界。
赤ん坊ーー後に小鳥遊 理人と名づけられるーーは、心の中で半ば絶望しつつ瞳を閉じた。
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