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プロローグ
「夢」とは、眠った人間が一定の条件を満たすと目にする、いや、意識するものである。しかし、それが必ずしも人間の脳内で完結するだけのものとは限らない。そこにたった一滴の不純物が偶然にもこぼれ落ち混じってしまうだけで、それはただの夢とはかけ離れ、闇という調味料で味付けされてしまった限りなく絶望に近い悪夢になる。
一滴の不純物。
仮定としてそれが誰かの意図的な悪意だったとすると、如何なものだろうか。その悪意の主はいとも簡単に人間を自らの世界に引きずり込むことが出来てしまうと考えられる。
我々にまだ解決の糸口は見つけられない。見つからないのだ。それが夢の中である限り、物質としての手掛かりが全くもって存在しないのだから。
これが、我々人間の限界である。
破壊される夢に関する調査書
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