嫉妬~ねじたんの場合~

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キョウは、僕に土下座してきた。 「申し訳ない!それでもいい! でも、ころねちゃんには謝らせてくれ! ねこは、嫉妬しただけなんだ! 俺が、仕事ばっかりだったから」 僕は素直に納得した。 しかし。 感情はそうも追いつかなくて。 「……お前さ。俺、今日はとても大切な日だって教えたよな? 俺の職業、わかってる?」 キョウは勢いよく顔を上げ、目を見開く。 「そ、それはっ」 僕は近くにある棚から、カッターナイフを取り出し。 ゆっくりと、キョウに近づける。 「わかってるよな? 今日は、ころねにプロポーズするはずだった。 誕生日だから」 キョウの頬にあてようとした時。 背中に柔らかい感触がした。 いつも、感じる温もりを。 「してっ!ねじたん!わたし、禿でもいい! その、ねじたんのスキンヘッド、大好きなの! き、綺麗だし。キラキラしてて」 そう。 僕はスキンヘッド。 ちなみに、職業は板前。 だからこそ、スキンヘッドが生かされている。 カッターをどこかへ放り投げ、僕はころねを正面から抱きなおす。 「本当にいいの?僕、こんなだよ?年だって、一回り離れてる」 ころねは、大きな瞳を涙で潤ませ、何度も頷いた。 「関係ないっ! わたし、今のねじたんが大好き! ねじたんとなら、ハゲでお揃いもいい!」
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