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着なれない制服は、希望と不安がちらついていた。
ざわつく教室は、ふわふわと、視線が舞う。
僅かに、去年の痕跡を残した机も、まだわたしに馴染んでいない。
この教室の空気も、景色も、席順も、まだまだ、わたしに馴染んでいない。
「みどり!一緒だね!」
ただ、この馴染まない教室で、唯一しっくり来る声が聞こえた。
「彩子!しかも席となりだ!」
読みかけの星の王子さまにしおりを挟み、一昨日ぶりの彩子を見る。
ついその日に、同じクラスだったら奇跡だね、なんて話をしていたばかりだった。
かばんを下ろし、彩子は席に座る。
「奇跡だね、わたしら。」
ふふ、と二人で笑い合う。
馴染まない制服も、教室も、机も、たった一人の存在だけで、明日からの希望に変わっていく。
***
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