新たなる技

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有志は今、苦しんでいた。 「大丈夫かい。本当に何食べたんだろうね」 白衣を着た初老の男性が有志に心配そうに言葉をかける。 「……はい。なんとか……ちょっと手作り弁当を」 有志は苦しみ、喋るのも辛いが、初老の男性に言葉を返した。 「ガールフレンドの弁当かい?羨ましいねぇ。けどこんな状態じゃ喜べないか」 初老の男性はそう言うと腰かけていた椅子から立ち上がる。 「しばらく、ゆっくりしてな。点滴は2時間ぐらいかかるから」 そう言って初老の男性は部屋を出ていった。 有志は現在、学園の保健室のベッドで横になっている。 右腕には点滴の針がさされ、上に設置してある液体が重力によって一滴ずつ落ち、管を通って有志の腕の中へと吸い込まれていく。 有志は少し安心したのか、眠気に襲われ、抵抗する事なく意識を手放した。 何故有志がこのような現状に追い込まれたかと言うと、時は数時間前に遡る。
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