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有志はジルの元を後にすると、下位ギルド パールへと転移してきた。
ジルから任務内容を改めて聞いた有志はキースの言う通り、下痢魔法の研究、開発が必要だと判断し、マスターであるニックに協力を求めに来たのだ。
いつものように受付で許可を貰い、有志はギルドマスター室へと足を運ぶ。
そしてマスターの許可を得てドアを開けると、マスターは有志の顔を見るなり頭を下げてきた。
「有志君、本当にすまない。私のせいで危険な任務をすることになって……」
「もういいですから。悪いと思うなら協力して下さい。僕にはマスターの協力が必要です」
マスターは有志の言葉に少しだけ救われ、頭を上げる。
「私に出来る事なら何でも協力させて貰うよ」
マスターは悲痛な叫びのように声を絞り出すと、有志に座るよ促した。
「まず僕の下痢魔法ですが……」
有志は紙を取り出すと、今使える下痢魔法を書き出していく。
「まず、火の魔法で汗をかかせ、氷の魔法で冷やす技。ホット・トゥ・コールド゙とでも名付けましょうか。このホット・トゥ・コールドは多数の相手を同時に下痢に出来ますが、時間がかかるうえに、僕は汗をかかないので怪しまれる恐れがあります。何か考えないと」
有志はホット・トゥ・コールドの弱点をマスターに相談する。
「それなら水魔法で手の平に水を溜め、隙を見て顔に掛ければ良い。時間的な問題は解決出来そうにないから状況を見て、使い時を判断するしかないな」
マスターは冷静に分析し、有志にアドバイスをする。
「では次の、魔力を強制的に流し込み、お腹に渦巻を作る魔法。名前は……」
「瞬間下痢魔法でいいんじゃないか?一瞬で下痢状態にするんだから」
マスターは技名を提案するが、有志は気に入らないのか思考をしていた。
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