本編

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「決着も着いたことだし、シャワーでも浴びる?」 「そうしましょ。シャロちゃんからお先にどうぞ」 「そう?じゃあお言葉に甘えて」 千夜が先にシャワーを使っていいと言ってくれたので、そうする私。 服を脱いでシャワー室に入り、シャワーのスイッチを入れると熱めのお湯が流れ始める。 「は~気持ちいい~」 お風呂には劣るけど、やっぱり一日の終わりに汗を洗い流すこのときは心地いいわね。 10分ほどシャワーを浴びたのち、シャワー室を出た私は千夜を呼ぶ。 「千夜、上がったわよー…ってあれ?」 千夜は疲れていたのか、ベッドに横になって穏やかな寝息を立てていた。 千夜の寝顔をちゃんと見る機会なんて今までなかったけど、こうしてみると可愛い顔してるのね。 こんな可愛い顔してるのに、甘兎庵のメニューにおかしな名前をつけたり、ときどき変なこと言い出したり、私にも変ないたずらしたりするちょっと残念な女の子、それが千夜。 でも、いつも私や周りの人のことを気遣ってくれるし、面倒見のいいところもある、それも千夜。そんな子だからこそ、私は千夜のことを… 私は千夜の頭を撫でながら、一人つぶやく。 「千夜にはちゃんと言ってなかったかもしれないけど、今回誘ってくれてすごく嬉しかったの。今回のこともそうだし、いつも私のことを大事にしてくれてありがと。そして…」 私は千夜の頬に自分の唇を近づけ…そのまま、軽くキスした。 「大好きよ、千夜。」 ……って、何やってるのよ私!! なんだか急に恥ずかしくなってきたわ…。 でも、千夜のことを考えながらその寝顔を見ていたら、衝動的にそうしたくなってしまった。たぶん、それだけ私にとって千夜は愛おしい存在だってことなのね。 ふと窓の外を眺めると、空に一つの流れ星が見えた。 「そんな愛おしい千夜と、いつまでも楽しく過ごせますように…」 そんなことを心の中で祈りながら、いつしか私も千夜の隣で眠りに就いていた。
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